今年もお盆の時期がやってきました。この時期になると3日おきに4回、日本人は追悼するようになりました。8月6日は広島、9日は長崎、15日は終戦記念日。そして今から35年前の今日、8月12日に起きた日航ジャンボ機墜落事故。
1985年のこの日は月曜日でしたね。ちょうど田舎に泊まりに行っていた時で、親戚の子たちと当時関口宏が司会していた人気のクイズ番組「クイズ100人に聞きました」を視聴中に、あの衝撃のニュース速報のテロップを見た。8時から堺正章が司会をしていたザ・トップテンという生放送の歌番組を見ていたが、その番組中、何度もニューススタジオの画面に切り替わって随時速報が伝えられ、いつもは楽しい歌番組がとてもものものしい空気になっていたのを思い出します。
9時以降になってからはどのチャンネルも報道特別番組に切り替わり、そこから一週間以上、墜落事故のニュースが続いた。事故の翌日の夜は中々眠れなくて、親戚の叔父さんとテレビを見ていたが、やはり、どのチャンネルもそのニュースばかりで、静かに読み上げられる乗客の名前を聞いているうちに背中が震えてきた。こんなに多くの人が乗っていたのかと、とんでもない事故が起きてしまったんだなと子供ながら事の深刻さをひしひしと感じていた。
この事故では多数の著名人も犠牲になり、歌手の坂本九さんもその一人だった。テレビで連日で生前の九さんの歌う姿が映し出され、その時流れていた曲が「上を向いて歩こう」。世界的にも知られる有名な曲ですが、こんな良い歌を歌っていた人がなぜこんな事故に巻き込まれてしまうのだと、人間の運命は時にどうにもならないことがあって、とても儚いなと子供ながらに色々と考えさせられましたね。
35年経ってあの悲惨な事故のことを知らない若い世代も増えてきた。日本では94年に起きた中華航空の墜落事故以来、25年以上近く大きな飛行機事故は起きていないが、123便の事故の記憶が風化してしまった時、また同じ過ちを繰り返すかもしれない。そうならないよう、今日のこの日はやはりしっかりと記憶に焼き付けておかなければいけないと思いますね。