いよいよ平成最後の年となりまして新年から目まぐるしく世の中が動いておりますが、また、テレビで馴染みのあったべテランの俳優さんがこの世を去られました。この方は、やはり真っ先に思い浮かべるのは「まんが日本昔ばなし」のナレーション。
当時のテレビのゴールデン帯は子供のための番組編成がしっかりなされていたので、夜7時にチャンネルを合わせれば、必ずやアニメか特撮番組が放送されていて、土曜日の6時30分にフジテレビで放送されていた「タイムボカンシリーズ」のアニメを見た後にこのアニメを見ていた記憶があります。あの独特の間延びした声の出し方。一度聞いたら一生耳に残ってしまうと言っても過言ではないくらい、とてもインパクトのある穏やかな良いお声でしたね。
それから土曜ワイド劇場で定期的に放送されていた「家政婦は見た」シリーズのサスペンスフルな演技も印象的でした。でも個人的に一番頭に焼きついているのは、「翔べ! 必殺うらごろし」のおばさん役。おばさんの殺し技は殺し相手に静かに近づいてただドスで刺すだけという、シリーズの中ではかなり地味な殺し方だったのですが、「こんなおばさんに殺されるわけがない」と、相手を油断させるあのおっとりとした存在感はやはりこの人の持ち味であり、この人でしか出せないものだったと思います。
今年がスタートしてからまだ19日しか経っていないのに、またかけ替えのない日本の名優がいなくなってしまいました。市原悦子さんのご冥福をお祈りいたします。